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仕事場にてよく見かけるシーン
仕事の場ではこのようなシーンを見かける事がありませんか。
上司が部下にこの仕事をしなさいと指示しました。しかし、部下はその仕事をこなしきれなくて問題が発生した。
上司の視点から見ると、「なんでこのようなあたりまえの仕事ができないんだ」「なんで自分で考えられないんだ」「なんで相談もせずに勝手に進めるんだ」
部下の視点から見ると、上司は困ったら相談しろと言ったので相談したら「自分で考えろ」と怒られた。だから、相談せずに進めたら「なぜ相談しないんだ」怒られた。一体どうすればいいの?みたいな話とかでしょうか。
もし、あなたが現在上司の業務をされているのであれば、この上司と部下の両方の経験をしたことがあるかと思います。
もし、あなたが現在部下の業務をされているのであれば、将来上司の立ち位置になったら同じことを経験するでしょう。
この手の話はインターネットでもブログでよく書かれています。読んでみると、確かに、上司も部下もお互いに相手の何が分からないのか分からない状態で対話しているようにも見えます。
原因としては、上司と部下の知識の段階違うこと、上司の知識の段階では説明するまでもない常識であることが部下は知らないということがあったりします。
そして、判断基準もあいまいなままだったりもします。知識の段階と判断基準を間違った状態で放り投げる形で指示をしたら、なんだこれは?というアウトプットになってしまったことです。
僕の意見でいえば、これはやはり上司の責任が大きいかなと思うのです。マネジメントの仕事は、上司は部下の知識の段階を把握したうえで、適切な指導や指示をして成果を上げる仕組みを考えてつくる必要があるのです。
この話は、踏み込むとこれだけで本が1冊書ける内容になるので別の機会にするとして
この記事では、そのような知識の段階を把握する基準の考え方をお伝えします。
知っているとは何か?を知る

あなたは、日常の生活で会話の中でよく耳にするセリフとしてこちらのキーワードを言ったり聞いたりしていませんか?
これ知ってます?
知ってます!
あの内容を理解していますか?
はい、理解しました。
プライベート、ビジネスに関係なく、日常の会話の中ではひんぱんに使用するキーワードです。
特にビジネスシーンでは知識があること、つまり「知る」「わかる」「理解する」などの知識が高いとみなされた場合、相手の信頼を得る事ができやすくなり、周囲から尊敬やせんぼうの目で見られたりします。社内外の人から信頼を勝ち得ることがでできれば、それが、売り上げにつながり、それが出世につながり、それが給料につながり・・・
という、素晴らしいスパイラルにつながるかもしれません。
そう考えると一定以上の年齢やポジションの人にとって、知らないと答えること、知識がないと思われることは、恐怖に近いのかもしれません。
いずれにしても、この知識がある「知る」キーワードは、使い方によっては、お客様や取引先との信頼関係、上司と部下との業務命令、彼氏や彼女の駆け引き、友人や同僚との優越感や劣等感 などなど、関係者間での意思通達および関係構築に重要な意味合いを持つことに疑問をさしはさむ余地はないでしょう。
だからこそ ここは注意してほしいのです。
「知識がある」とは人によって意味合いが異なる
特に仕事で異なる意味合いでの「知っている」を信じて進めると思わぬところで落とし穴にはまる可能性があります。
ビジネスでお客様の信頼を得るため、相手の信頼を得るためには、自分および相手の知識の段階を判断する力が必要です。
知識の段階を見える化して判断する力
僕は自分が「知っている」とは何かをある程度判断するために、知識の段階を分けて見る方法がこちらです。
自分、相手問わず、知識の段階を大きく6段階で分けています。
その中でも大きく3階層で知識の段階を判断することにしています。
◆学習(インプット)
◆実務(アウトプット)
◆説明(プレゼンテーション)
学習(インプット)

ビジネス本やセミナーなど、学校で教わる基本的な内容です。もちろん、基本的なことなのでとても重要であり、すべての知識のコアになるものですが、業務で使える知識の段階ではありません。
知識の段階1:知識を持っている
その知識についてのキーワードを知っている
その知識はなにに使うのかをぼんやり知っている
例えばフレームワークというキーワードを聞いたことがある
知識の段階2:理解している
その知識のキーワードの意味を知っている
その知識の使い方を知っている
例えばフレームワーク4Cとは自社、競合、BP、お客様を分析するものであると知っている。
実務(アウトプット)

その知識を使って一人で作業の目的を理解し、その作業の為に必要な情報収集し、その情報を分析して、その分析結果から作業判断実行ができ、とその作業内容を書類にまとめる事ができる知識の段階です。
知識の段階3:作業
その知識を使うために必要な項目を把握している
その知識を使う為に必要な情報を集める
その知識を使って分析する
その知識を使って判断する
例えば4C分析に必要な情報を集めて分析し判断して作業する
知識の段階4:書類(ドキュメンテーション)
その知識を使って判断した結果を「画像」「数字」「文字」に整理して
伝えたい内容を他人が理解できる書類にまとめる
例えば4C分析の結果と根拠、そして判断を説明する書類にまとめる
指導・説明(プレゼンテーション)

その知識を使って多数の人に説明して理解してもらう、説明した内容で相手に判断をしてもらう、またその知識を相手に指導して理解させることができる知識の段階
知識の段階5:説得
その知識を使ってお客様や相手に説明または説得を行う。相手に理解または納得させて判断をして決断をうながす。
例えば4C分析の結果をお客様に説明し判断をうながす
知識の段階6:指導
その知識の使い方や効果を解説して相手に理解させることができる
例えば部下に4C分析の内容と使い方と効果を指導し評価する
知識の段階を見える化することによる効果

考え方としては、まずは自分が持っている知識をこの6段階で棚卸をしてみてください。意外と自分では知識があると思っていることが「知識の段階2:理解している」だったりします。
見方を変えれば自分の現状の知識の段階と次の知識の段階目標を明確化できます。そして、その目標に向けてレベルを上げる行動をすればあなたの知識の段階を上げることができます。
また、ビジネスを進めるための戦力分析と判断材料として、自分および相手の知識の段階を見える化することは、非常に重要です。
もちろん、相手の知識の段階を計測する力とは自分の知識にも左右されてしまうので100%客観的に計れるというわけではありませんが、ある程度の目安として使えます。
自分と相手の知識の段階がどの位置にあるのかお互いに把握できれば、本来自分の知識では実行が不可能な仕事でも、対応できる知識を持つ相手に依頼することで、足りない知識を補うことができます。
知識を組み合わせることで、より大きな仕事ができるのです。
また、知識が足りないことによって起こりうる致命的な障がいの発生を抑えることもできるのです。
ぜひ、あなたも知識の段階の見える化をやってみてください。